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2018.06.12

マルチブラケット装置

マルチブラケット装置は、歯の表面に歯科用接着剤で『ブラケット』という器具を貼りつけ、その溝にアーチワイヤーを通して3次元的に歯を移動させる装置です。ワイヤーと歯列を連結させて、歯並びを整えていく装置で、ワイヤーの力(弾力)を利用して歯を動かしていきます。ワイヤーはステンレススティールやニッケルチタン合金で作られており、細いワイヤーから少しずつ太いワイヤーに取り替えて治療を進めていきます。
ブラケットには金属製のもの(メタル)のほか、目立ちにくいセラミックやプラスチック(クリア)などがあります。

それでは、マルチブラケット装置の装着手順について説明します。
まず、クリーニングを行い、歯面をきれいにします。歯に汚れが残っていると、装置がつきにくくなってしまうので、研磨材を使いブラシで機械的に汚れを除去します。
装置装着中は、お口にプラスチック製の器具をかけ、歯に唇がつかないようにして行い、歯面が唾液でぬれないように気をつけます。
次に、装置の接着力を高めるために歯面の酸処理(エッチング剤の塗布)をして洗浄します。
そして、乾燥した歯に1歯ずつブラケットをつけていきます。ブラケットの接着が終わったら、接着剤が硬化するまで5分間待ちます。ブラケットがついたらワイヤーを装着し1歯ずつ結んでいきます。細い針金で1歯ずつ締めていくことで、より的確な力をそれぞれの歯に加えることができます。
ワイヤーは、多くの場合が一人一人の歯並びに合わせた、オーダーメイドになります。

「矯正治療はどうやって歯を動かしているの??」と不思議に思っている方も多いと思います。実は、弱い力を持続してかけるだけで歯は動きます。歯を支えている骨は、知らない間に少しずつ新しいものと古いものとに置きかわり、新陳代謝をくり返しています。
歯とあごの骨の間には、「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような膜があります。その膜の中には、骨を吸収する「破骨(はこつ)細胞」にも骨をつくる「骨芽(こつが)細胞」にもなれる細胞がひそんでいます。
矯正のワイヤーで引っ張る力が刺激となって、歯が進もうとしている側の歯根膜内の細胞は「破骨細胞」となって歯を支える骨を吸収します。一方、引っ張られている反対側では、「骨芽細胞」となって新たに骨をつくり出していきます。この2つの細胞が働きを繰り返すことで歯が動くのです。

 

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